LAT1阻害剤「ナンブランラト」、胆道がんの一次療法における免疫チェックポイント 阻害剤との併用を検証する医師主導臨床試験で、最初の被験者への投与を実施

2026年7月23日
ジェイファーマ株式会社

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ジェイファーマ株式会社(本社:東京都港区、以下「当社」)は、胆道がんの一次療法における免疫チェックポイント阻害剤(ICI)とナンブランラトとの併用を検証する医師主導臨床試験(JON-2404-B)において、最初の被験者への投与が実施されましたことを、お知らせいたします。

本試験は、ナンブランラトの胆道がん領域における開発可能性を、現在進行中のグローバル第3相試験(Beacon-BTC)が対象とする二次療法に加え、一次療法後の維持療法へ広げて検討するものです。最初の被験者への投与は、医師主導臨床試験が実際の症例登録・投与段階に移行したことを示すものであり、今後の症例登録および安全性・忍容性評価の起点となります。

本試験には、現在、公益財団法人がん研究会有明病院をはじめ、国立がん研究センター中央病院、国立がん研究センター東病院、神奈川県立がんセンターの4施設が参加しています。当社は、公益財団法人がん研究会有明病院との契約に基づき、試験の円滑な遂行を支援してまいります。

ナンブランラトの開発における、本試験の意義

ナンブランラトは、LAT1阻害作用によってがん細胞へのアミノ酸供給を抑制し、その増殖を抑えるファースト・イン・クラスとなる可能性を有する薬剤です。これまでに国内で実施された第2相臨床試験において、臨床的有用性が示唆されています。さらに、非臨床試験では、本剤が腫瘍免疫微小環境に影響を及ぼし、免疫細胞によるがん細胞への攻撃力を高める可能性が示唆されています。加えてがん細胞がかけた免疫のブレーキを解除するICIとの併用により、動物実験において抗腫瘍効果の増強が示唆されています。

近年、胆道がんの一次療法では、化学療法に免疫チェックポイント阻害剤を併用する治療が標準的に用いられるようになっています。本試験では、現在の標準療法(抗PD-L1抗体+化学療法)による治療開始後、19週から25週以降に免疫チェックポイント阻害剤による維持療法へ移行する患者さんを対象に、ナンブランラトを追加投与した際の安全性および忍容性を評価します。当社は、現在グローバル第3相試験を進めている胆道がん2次療法に加えて、本試験を通じて、1次療法におけるナンブランラトの開発可能性を検討し、本開発品の適応拡大および事業価値の向上を目指します。

併用療法の知的財産

当社は、ナンブランラトと抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体との併用療法に関する用途特許を保有しています。当社は、本用途特許が、その他の関連特許と併せて、本併用療法の競争優位性および事業価値を支える重要な知的財産の一つであると考えています。これらの特許をベースとした本併用療法の開発可能性を検証することにより、将来的な事業開発の選択肢の拡大につながる可能性があると考えています。

本試験で採用した新しい投与方法の意義

本試験では、ナンブランラトを46時間持続点滴投与する用法を採用し、免疫チェックポイント阻害剤との併用下における安全性および忍容性を評価します。46時間持続点滴投与は、本剤の曝露量を確保することを目的とした投与方法です。また、従来の投与方法と比較して、通院頻度や医療機関における投与管理上の負担を軽減できる可能性があり、海外を含む多様な臨床現場における導入のしやすさが高まることが期待されます。

ナンブランラトの開発状況

当社は、2026年5月に胆道がんを対象とするグローバル第3相試験(Beacon-BTC)において最初の被験者への投与を実施したことに続き、本試験においても最初の被験者への投与を実施しました。これにより、ナンブランラトの開発プログラムは着実に進展しております。当社は、今後もグローバル第3相試験(Beacon-BTC)を着実に推進するとともに、本医師主導臨床試験の円滑な実施に向けて必要な協力を行ってまいります。こうした取り組みを通じて、新たな治療選択肢の創出を目指すとともに、日本発のグローバル創薬ベンチャーとして、アンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品を世界中の患者さんへ届けることに挑戦してまいります。

【ナンブランラトについて】
ナンブランラト(開発コード:JPH203)は、当社が新規創製したLAT1選択的阻害剤であり、同作用機序の薬剤として世界で初めて臨床開発が進められている低分子化合物です。LAT1(L-type amino acid transporter 1、L型アミノ酸トランスポーター1)は、細胞内へのアミノ酸取り込みに関与するトランスポーターの一つであり、多くのがん細胞で高発現していることが知られています。医薬品として承認された場合、ファースト・イン・クラス(疾患に対して新しい作用機序で初めて承認に至る医薬品)の新薬となる可能性があります。当社は2015年より複数の固形がんを対象とした第1相臨床試験を実施し、その成果を踏まえ、進行性胆道がん治療への適応可能性を見出しました。2018年からは進行性胆道がんを対象とした第2相臨床試験を実施し、単剤で有用な臨床効果を示すことを確認しました。
また、ナンブランラトは2022年4月に米国食品医薬品局(FDA)よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を受け、2024年9月25日にはナンブランラトのがん患者様を対象とする臨床試験に関するInvestigational New Drug(IND)申請が受理されました。さらに、2025年5月には、商業製造スケールにおけるCMC(化学・製造・品質管理)が、FDAの要求する品質基準を満たしていることが確認されました。これらの進展を踏まえ、当社は2025年12月にグローバル第3相臨床試験を開始し、現在、試験を実施しています。

ナンブランラト国内第2相試験の結果に関する論文
Furuse et al. A Phase II Placebo-Controlled Study of the Effect and Safety of Nanvuranlat in Patients with Advanced Biliary Tract Cancers Previously Treated by Systemic Chemotherapy. Clin Cancer Res. 2024; 30(18):3990-3995. https://doi.org/10.1158/1078-0432.CCR-24-0461

【ナンブランラト(JPH203)と免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の非臨床での併用効果】
がん免疫療法に抵抗性を示す4T1同系マウス異種移植モデルにおいて、ナンブランラトとICI抗体との併用効果が検証されました。その結果、ナンブランラトとICI抗体の併用投与により、各単剤投与と比較して有意な抗腫瘍効果の増強が確認されました。
また、併用によりCD4+および CD8+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の増加、ならびに抗腫瘍免疫抑制に関与するFoxP3陽性CD4+ T細胞の減少が認められました [1, 2, 3]。
さらに、M1/M2マクロファージ比の上昇およびがん関連線維芽細胞(CAF)の蓄積抑制も確認されており[3]、ナンブランラトとICI抗体との併用により腫瘍免疫微小環境の改善が示唆されています。

  1. Zhao Y et al. Targeting LAT1 with JPH203 to reduce TNBC proliferation and reshape suppressive immune microenvironment by blocking essential amino acid uptake. Amino Acids. 2025, 57(1):27. https://doi.org/10.1007/s00726-025-03456-3
  2. Huang R et al. Targeting glutamine metabolic reprogramming of SLC7A5 enhances the efficacy of anti-PD-1 in triple-negative breast cancer. Front Immunol. 2023, 14:1251643. https://doi.org/10.3389/fimmu.2023.1251643
  3. Nanvuranlat Investigator’s Brochure version 10.0, September 2025

【関連情報】
・本医師主導臨床試験の詳細(jRCT)
 https://jrct.mhlw.go.jp/latest-detail/jRCT2031260086

・ナンブランラトと胆道がん
 https://www.j-pharma.com/pipeline/biliary_tract_cancer/

・胆道がんを対象としたグローバル第3相試験(Beacon-BTC)について
 https://www.j-pharma.com/clinical_trial/biliary_tract_cancer_p3/

・ナンブランラト作用機序動画
 https://www.j-pharma.com/assets/video/251209.mp4

【ジェイファーマ株式会社について】
当社は、「SLCトランスポーターの新たな可能性を追求し、アンメット・メディカル・ニーズに応える革新的新薬の開発を通じて、世界中の人々が健康を維持し、希望を持ち続けることに貢献する」を企業理念としています。この理念のもと、SLCトランスポーターのひとつで創業者が発見したLAT1(L型アミノ酸トランスポーター1)に注力し、がんや自己免疫疾患において既存薬では対応できない患者様のニーズに応える新薬開発を推進しています。
ジェイファーマ株式会社の詳細は、当社ウェブサイトhttps://www.j-pharma.com/をご覧ください。

【本件に関するお問い合わせ先】
ジェイファーマ株式会社 企画部
TEL:03-6432-4270
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