新規LAT1阻害剤(JPH034)の研究開発に対する 米国多発性硬化症協会 「Fast Forward」商業化研究助成プログラム 採択の受領について

2023年10月5日
ジェイファーマ株式会社

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ジェイファーマ株式会社(本社:神奈川県横浜市鶴見区、代表取締役社長 吉武 益広)は、米国多発性硬化症協会(National Multiple Sclerosis Society、以下NMSS)の「Fast Forward」商業化研究助成プログラムに採択され、助成金を授与されましたことをお知らせいたします。今回の助成金は、進行性の多発性硬化症(Multiple Sclerosis、以下MS)に対するアンメットメディカルニーズを充足する可能性のある新規LAT1阻害剤(JPH034)の研究開発を支援するものです。

「Fast Forward」商業化研究助成プログラムは、2006年にNMSSによって立ち上げられ、治療薬の開発リスクを軽減することを目的に、前臨床開発から商業化に向けた研究開発のギャップを埋めるための支援をしています。支援のひとつはMS患者のベネフィット向上のため、商業化に向けた開発プロジェクトに対し、外部からの投資を促進することです。これまで「Fast Forward」プログラムでは、MSに対する新しい治療法を開発している営利団体に、専門家による厳格な審査のもと厳選されたプロジェクトに資金が提供されています。NMSSは、「Fast Forward」を通じて、2009年から商業組織と学術組織の52のプロジェクトに2,400万ドル以上を助成しています。

この度の「Fast Forward」プログラムの授与は、JPH034の前臨床開発プログラムを支援するものであり、当社、代表取締役社長の吉武益広は、「今回の名誉あるFast Forwardの授与に大変感謝いたします。今後、JPH034への理解を深め、進行性MSの治療薬開発をさらに進展させて参ります」と述べています。

NMSSの研究部門のVice PresidentであるMark Allegretta博士は、「当協会は、自然免疫を標的として炎症を軽減し、再ミエリン化を促進する環境を作り出すジェイファーマのLAT1阻害剤(JPH034)の前臨床開発を強く支援します。進行性MS患者は、より良い治療選択肢を必要としています。MSの進行に対しJPH034が有益なインパクトをもたらすことを期待しています」と述べています。

経口LAT1阻害剤(JPH034)

中枢神経系(CNS)局所で活性化されたミクログリアにより引き起こされる慢性炎症を標的とする治療により、再ミエリン化が促進され、MS疾患の進行が抑制されうる治療法となる可能性があります。アミノ酸とその代謝産物がCNSの免疫活性を調節し、オリゴデンドロサイトの分化と再ミエリン化の効率に影響を与えることが明らかになっています。

LAT1 は、自己免疫疾患やアレルギー疾患に関与する特定の細胞分化において重要な役割を果たします。 新規LAT1阻害剤(JPH034)は、大阪大学大学院医学研究科の金井好克教授らによって発見されました。MS に関する様々なアカデミアとの共同研究により、JPH034 が既存の MS 治療法と比較して新しい作用機序を示す可能性が示唆されています。

多発性硬化症(Multiple Sclerosis、MS)

多発性硬化症は中枢神経系でおこる予測不可能な疾患です。現在、根治に至る治療法はなく、その症状には個人差があり、倦怠感、運動障害、認知機能の変化、視力障害などがあります。米国では推定100万人のMS患者がいます。患者さんの障害を最小限に抑えるためには、早期の診断と治療が重要です。MSのない世界の実現に向け、日々研究が進められています。

米国多発性硬化症協会(National Multiple Sclerosis Society、NMSS)

1946年に設立された米国多発性硬化症協会は、MSのない世界を実現するために様々な活動をしている世界的リーダーです。協会では、治療のための最先端の研究に対して資金提供し、アドボカシー活動を通じて変化を促し、MSに罹患した人々が最良の生活を送るためのプログラムやサービスを提供しています。詳しくは、nationalMSsociety.org, Facebook, Twitter, Instagram, LinkedIn, YouTube or 1-800-344-4867までお問い合わせください。

ジェイファーマ株式会社

ジェイファーマは、創業者である遠藤仁(杏林大学名誉教授)により設立され、SLCトランスポーター創薬のプラットフォームを構築し、革新的な医薬品を生み出し、アンメットメディカルニーズを充足することをミッションにしている創薬ベンチャーです。特に、近年注目されている細胞膜表面のアミノ酸トランスポーター、LAT1(SLC7A5)をターゲットにした創薬においては、世界最先端の研究開発に挑戦しています。

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