新規抗がん剤JPH203の第Ⅰ相臨床試験開始のお知らせ

2015 年 2 月 16 日
ジェイファーマ株式会社

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ジェイファーマ株式会社(本社:神奈川県横浜市 社長:遠藤仁、以下「当社」)は、杏林大学病院(腫瘍内科 古瀬純司教授)にて JPH203 の固形癌患者を対象に第Ⅰ相臨床試験を開始しましたのでお知らせいたします。本試験は標準的治療法が無効あるいは不耐の患者さんに JPH203 の静脈内持続投与を実施し、本剤の安全性、有効性及び薬物動態の確認を行います。

本剤は、がん細胞に特異的に発現しているトランスポーターである LAT1 に結合することにより、がん細胞への必須アミノ酸の取り込みを抑制し、がん細胞の維持、増殖を抑制することが非臨床試験で確認されております。LAT1 の発現強度は、がんの悪性度に相関することが明らかになっており、本剤は、悪性度の高い癌に対する薬剤として期待されています。当社はこれまで NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成金を受け、本剤の開発を行ってまいりました。今後は本試験を進めると共に、国内外の製薬会社とのパートナリングを進めてまいります。

※LAT1 (L-type amino acid transporter1)
1998 年に日本でクローニングされた 507 アミノ酸残基からなる 12 回の膜貫通型の膜たんぱく質で、シャペロンとのヘテロ二量体で機能します。癌細胞に特異的に高く発現し、多種類の必須アミノ酸を癌細胞に取り込み、癌の増殖と転移に関与します。また、正常細胞には LAT1とは異なる LAT2 が発現しており、輸送アミノ酸の種類と輸送機序は LAT1 と異なっています。

※JPH203
当社の創業者であり代表取締役の遠藤らにより新規に化学合成された低分子化合物です。その作用は LAT1 の機能を特異的に阻害するものであり、既存の抗がん剤とは全く異なる作用機序により様々な癌種への臨床的応用が期待されています。

(本件に関する照会先)臨床開発部長 石川 幹夫
(連絡先)info@j-pharma.com/045-506-1155