2025.10.19
2025年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会:「ナンブランラト」第2相臨床試験のサブグループ解析結果を発表~グローバル第3相臨床試験に向けた対象患者の選択基準を示唆~
2025年10月19日
ジェイファーマ株式会社
ジェイファーマ株式会社は、進行性胆道がんを対象にしたL型アミノ酸トランスポーター1(LAT1)阻害剤 ナンブランラトの最新の知見として、10月17日から21日にかけて、ドイツのベルリンで開催された2025年欧州臨床腫瘍学会年次総会(European Society for Medical Oncology : ESMO 2025)におきまして、ナンブランラト臨床第2相試験のサブグループ解析および、暴露―反応(ER)解析の結果が発表されましたことをお知らせします。
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今回の解析結果は、ナンブランラトの対象患者の選択基準を示唆するものであり、今後の試験デザインに適切に反映することで、本年度中の開始を計画しているグローバル第3相臨床試験の成功確率が高められるものになると考えております。
- 日時
- :2025年10月19日 12時00分~12時45分(現地時間)
- タイトル
- :Subgroup analysis of a Ph.2 study of nanvuranlat in pre-treated, advanced, refractory biliary tract cancer patients (BTC) support an enriched patient population for a planned Ph.3 study
- 筆頭発表者
- :神奈川県立がんセンター 消化器内科 部長 上野誠先生
ポスターセッション
発表内容 :
・肝内胆管がん(IHC)、肝外胆管がん(EHC)および胆嚢がん(GBC)において、ナンブランラト投与群はプラセボ群に比べて、全生存期間(OS)の良好な延長傾向を示した(ハザード比=0.76; 95%信頼区間: 0.46–1.26)。
・3次療法以降を除外し2次療法に限定すると、ナンブランラト投与群において、プラセボ群に比べて、OSの良好な延長傾向が認められた(ハザード比=0.55; 95%信頼区間: 0.09–3.54)。
・原発腫瘍の切除歴がない患者において、ナンブランラト投与群は、プラセボ群に比べてOSの良好な延長傾向を認めた(ハザード比=0.53; 95%信頼区間: 0.228-1.01)。
・ナンブランラト投与群は、累積AUC(薬物曝露量)が大きい患者ほど、腫瘍縮小効果が大きく、全生存期間(OS)も延長する傾向があることが認められた。
(参考)
【ナンブランラトについて】
ナンブランラトは、当社が新規創製したLAT1特異的阻害剤であり、同作用機序の薬剤として世界で初めて臨床開発が進められている低分子化合物です。医薬品としての承認を取得すれば、ファースト・イン・クラス(疾患に対して新しい作用機序で初めて承認に至る医薬品)の新薬となる可能性があります。当社は2015年より複数の固形がんを対象とした第1相臨床試験を実施し、その成果から進行性胆道がん治療への可能性を見出しました。2018 年からは進行性胆道がんを対象とした第2相臨床試験を実施し、単剤で有用な臨床効果を示すことを明らかにしました*。
ナンブランラトは 2022 年4月に米国食品医薬品局(FDA)よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定されました。さらに、2024年9月25日付で、FDAより、ナンブランラトのがん患者様を対象とする臨床試験に関する Investigational New Drug(IND)申請が承認されました。加えて、2025年5月には、商業製造スケールにおけるCMC(化学・製造・品質管理)について、FDAが求める品質基準を満たしていることを確認しております。現在、2025年度に予定しているグローバル第3相臨床試験の開始に向け準備を進めています。
*:ナンブランラト国内第II相試験の結果に関する論文
Furuse et al. A Phase II Placebo-Controlled Study of the Effect and Safety of Nanvuranlat in Patients with Advanced Biliary Tract Cancers Previously Treated by Systemic Chemotherapy. Clin Cancer Res. 2024; 30(18):3990-3995.
【ジェイファーマ株式会社について】
ジェイファーマ株式会社は、「SLC トランスポーターの新たな可能性を追求し、アンメット・メディカル・ニーズに応える革新的新薬の開発を通じて、世界中の人々が健康を維持し、希望を持ち続けることに貢献する」を企業理念としています。この理念のもと、SLC トランスポーターのひとつで創業者が発見した LAT1(L型アミノ酸トランスポーター1)に注力し、がんや自己免疫疾患において既存薬では対応できない患者様のニーズに対応しうるLAT1阻害剤の開発を進めております。
ジェイファーマ株式会社の詳細情報は、https://www.j-pharma.com/をご覧ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
ジェイファーマ株式会社 企画部
TEL:03-6432-4270
https://www.j-pharma.com/contact