2025.05.23
新規抗がん剤「ナンブランラト」に関するCMC Type-Cミーティングで米国FDAより肯定的な反応を取得 ~米国第Ⅲ相臨床試験開始に向けた重要な前進~
2025年5月23日
ジェイファーマ株式会社
このたび、当社開発中の新規抗がん剤「ナンブランラト」について、米国食品医薬品局(FDA)とのCMC(化学・製造・品質管理)に関するType-Cミーティングを実施し、FDAより肯定的な反応を5月13日に書面で受領したことをご報告いたします。
多くの製薬企業は、第Ⅲ相臨床試験の開始前に、第Ⅲ相試験及び医薬品の商業製造スケールでのCMCが、FDAの高い承認審査基準を満たしているかについて、FDAにType-Cミーティングをリクエストし、FDAの同意を得て、第Ⅲ相臨床試験に着手することを行っております。
このたびのFDAの肯定的な反応は、ナンブランラトが商業製造スケールでの品質基準を満たしていることをFDAが、現時点で合意したことを示しており、当社にとっては、2030年の承認、本年の第Ⅲ相臨床試験開始に向け、極めて重要なマイルストーンの達成となります。
当社は今後も引き続き、ナンブランラトのグローバル開発を加速し、難治性がん患者に新たな治療選択肢を届けるべく取り組んでまいります。
【Type-C ミーティング】
Type-Cミーティングとは、米国FDAが医薬品開発の過程で申請者と実施する正式な協議の一種であり、Type-A、B、D、INTERACT ミーティングでの対象案件以外の化学・製造・品質(CMC)を含め臨床開発、規制戦略等に関する技術的課題に関して、承認に向けて、柔軟に意見交換を行う場として設けられています。
参考文献:FDA “Formal Meetings Between the FDA and Sponsors or Applicants of PDUFA Products” Guidance for Industry
https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/formal-meetings-between-fda-and-sponsors-or-applicants-pdufa-products
<参考情報>
【ナンブランラトについて】
ナンブランラトは、当社が独自に見出した選択的にLAT1を阻害する新規の低分子化合物です。当社は2015年から複数の固形がんを対象に臨床第1相試験を行い胆道がんへの可能性を見出し、2018年から3年半の時間を費やし、進行性胆道がんを対象とした国内第2相試験を実施し、単剤で有用な臨床効果を示すことを明らかにしました。ナンブランラトは、LAT1を標的とし臨床開発を進めている世界初の化合物であり、医薬品の承認を取得すれば、ファースト・イン・クラス(疾患に対して新しい作用機序で初めて承認に至る医薬品)の新薬となります。
ナンブランラトは2022年4月に米国食品医薬品局(FDA)からオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定され、臨床開発プログラムへの助言相談、臨床試験費用の一部税額控除、申請費用の免除、米国における7年間の独占販売権付与などの優遇処置を受けることができます。2024年9月25日付けで、FDAより、ナンブランラトのがん患者における臨床試験に対するInvestigational New Drug(IND)申請が承認されました。
*ナンブランラト国内第2相試験の結果に関する論文
Furuse et al. A Phase II Placebo-Controlled Study of the Effect and Safety of Nanvuranlat in Patients with Advanced Biliary Tract Cancers Previously Treated by Systemic Chemotherapy. Clin Cancer Res. 2024; 30(18):3990-3995.
【ジェイファーマ株式会社について】
ジェイファーマ株式会社は、「SLCトランスポーターの新たな可能性を追求し、アンメット・メディカル・ニーズに応える革新的新薬の開発を通じて、世界中の人々が健康を維持し、希望を持ち続けることに貢献する」を企業理念としています。この理念のもと、SLCトランスポーターのひとつで創業者が発見したLAT1(L型アミノ酸トランスポーター1)に注力し、がんや自己免疫疾患において既存薬では対応できない患者様のニーズに対応しうるLAT1阻害剤の開発を進めております。
現在、臨床開発中のLAT1阻害剤「ナンブランラト」や「JPH034」に加え、新たな候補化合物の研究も進行中です。2023年10月には米国子会社を設立し、そのメンバーおよび米国のコンサルタント等と密に連携して、適切な薬事・開発・知的財産権戦略を構築しております。ジェイファーマ株式会社の詳細情報は、https://www.j-pharma.com/をご覧ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
ジェイファーマ株式会社
管理部 広報担当
TEL:045-506-1155
https://www.j-pharma.com/contact