当社リサーチツール特許のライセンス戦略についてのお知らせ

2015 年4 月吉日
ジェイファーマ株式会社

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当社は、各種のトランスポーター(*)に関連する豊富な知的財産を保有しており、LAT1(**)を標的とした抗がん剤については自社開発による第Ⅰ相臨床試験が進行中です。
この度、一部の当社リサーチツール特許(***)について、国内外の製薬会社に対し非独占的な権利許諾を行っていくこととし、第一弾として、「URAT1を用いた尿酸コントロール物質のスクリーニング技術」(****)に関して国内製薬企業とライセンス契約を締結いたしました。本技術は、この尿酸の輸送を調節する物質をスクリーニングする技術、換言すれば「URAT1を用いてクスリを見つける方法」であり、尿酸を調節する新薬の開発のための候補物質の探索には不可欠な技術であります。

リサーチツール特許は本来、研究開発の促進のために、適正な価格で広く普及されるべきものであると考えます。そして適正な価格とは、互恵事業を志向する公正な配分の合意に基づくものと考えます。今回のライセンス契約の締結を皮切りに、当社の特許を使用する、もしくは使用を希望する企業に対し、積極的に広くライセンス提供を進めていく方針であり、新薬開発の効率化・迅速化に貢献して参りたいと考えます。

*トランスポーター
細胞の内外を仕切る細胞膜上に存在し、細胞内外の物質の輸送に関与する膜タンパク質の一種。

** LAT1
がん細胞の細胞膜に発現するトランスポーター。
1998 年に日本でクローニングされた507アミノ酸残基からなる12回の膜貫通型の膜たんぱく質で、シャペロンとのヘテロ二量体で機能する。癌細胞に特異的に高く発現し、多種類の必須アミノ酸を癌細胞に取り込み、癌の増殖と転移に関与する。
LAT1 を選択的に阻害することでがん細胞を細胞死に導くことが可能。

***リサーチツール特許
研究開発段階で使用されるツール(スクリーニング方法、単クローン抗体、細胞株、実験動物等)に関する特許。

**** URAT1 を用いた尿酸コントロール物質のスクリーニング技術
URAT1 は尿酸の出入りを制御するトランスポーター。
血中の尿酸値は、これが高過ぎると動脈硬化や通風の原因となり、低すぎると腎不全を招来する。本技術は、この尿酸の輸送を調節する物質をスクリーニングする技術。
当社は当該技術の特許を保有しており、通常実施権の許諾を原則とする方針である。

以上

【本件に関する照会先】
事業企画部 桑名 隆滋
kuwana@j-pharma.com
045-506-1155