新規胆道がん治療薬に関するライセンス及び共同開発契約締結について

2019年4月25日
ジェイファーマ株式会社

ジェイファーマ株式会社（本社：神奈川県横浜市、代表取締役会長：遠藤仁、代表取締役社長：吉武益広、以下、「当社」）は、このたび、大原薬品工業株式会社（本社：滋賀県甲賀市、代表取締役社長：大原誠司、以下、「大原薬品工業」）と新規化合物 JPH203 に関するライセンス及び共同開発契約を本年 4 月 25 日付で締結いたしました。

本契約締結により大原薬品工業は、進行性胆道がんを対象として JPH203 を日本、中国、アジア地域およびアフリカ地域で独占的に研究、開発、販売、製造する権利を取得します。当社は、契約金、JPH203 の開発マイルストンに応じた対価ならびに売上に連動したロイヤリティを受け取ります。また、大原薬品工業は当社の第三者割当増資の引き受けを行います。

JPH203 は、がん細胞特異的に発現するアミノ酸トランスポーターLAT1 を選択的に阻害し、LAT1 を介したアミノ酸の取り込みを抑制することで腫瘍細胞をアポトーシスに導く新規の低分子化合物です。進行性固形腫瘍患者における第Ⅰ相臨床試験において、十分な忍容性が認められ、胆道がんに対する効能が示唆されました。現在は、進行性胆道がんを対象とした第Ⅱ相臨床試験を進めております。

当社は今後もアンメットメディカルニーズの高い領域で、独自性のある医薬品の研究開発に注力してまいります。

【ジェイファーマ株式会社について】
ジェイファーマ株式会社は、主として細胞膜に存在するタンパク質で細胞内外への物質輸送を担う「トランスポーター」を標的とした創薬を希求するベンチャー企業です。この領域は、上市医薬品数は少なく、このトランスポーターを標的とする創薬を会社の使命として位置付けており、診断と治療を一体化した全治療体系を確立することを目指しています。現在 LAT1 を標的とした抗がん剤 JPH203、OKY-034 や新規 PET診断薬 NKO-028 の開発を進めております。
詳しくは、http://www.j-pharma.com をご覧ください。

【大原薬品工業株式会社について】
大原薬品工業株式会社は、数少ないオーファンドラッグとジェネリック医薬品の両事業を行っている日本の医薬品会社です。2018 年度からスタートした中期 3 ヵ年計画では、「アンメットメディカルニーズに挑む」をテーマに『Challenge 2020』をキャッチフレーズとしてスタートしております。小児がん治療領域を中心としたオーファンドラッグの開発・販売と、日本国内では医療事故防止に配慮したジェネリック医薬品事業を行っております。今後更にこれらの事業を元にアジア地域を中心とした新興国への展開を図っていく予定です。

【アミノ酸トランスポーターLAT1 について】
アミノ酸トランスポーターは、細胞外から細胞内に栄養分などを輸送する栄養トランスポーターとして正常細胞にも存在しますが、LAT1 は腫瘍細胞に選択的かつ高発現するアミノ酸トランスポーターであり、多くの必須アミノ酸を含む大型側鎖を持つ中性アミノ酸を輸送します。大腸がん、肺がん、前立腺がん、胃がん、乳がん、すい臓がん、腎臓がん、喉頭がん、食道がん、脳腫瘍などの多くのがんで発現が上昇し、すい臓がんをはじめとする多くのがんで LAT1 の高発現群は予後不良であることが報告されております。

【胆道がんについて】
本邦における胆道がんの年間死亡者数は約 18,000 人であり近年増加傾向にあります¹。一方、現時点では、標準的化学療法が無効な胆道がん患者に対して推奨される 2次化学療法は確立しておらず、2次化学療法に対するニーズが高い状況です²。
1）人口動態統計（厚生労働省大臣官房長官統計情報部編）人口動態統計によるがん死亡データ（1958 年～2016 年）
2）日本肝胆膵外科学会胆道がん診療ガイドライン作成委員会編. 胆道癌診療ガイドライン（2014 年）

◆本件に対するお問い合わせ先◆
ジェイファーマ株式会社管理部
jph-admin@j-pharma.com
Tel：045-506-1155