企業情報 基盤技術トランスポーターと創薬 開発パイプライン アミノ酸トランスポーター創薬 尿酸トランスポーター創薬 高リン血症治療薬


尿酸トランスポーター創薬
1.ヒト腎臓内での尿酸輸送と尿酸トランスポーター、URAT1, URATv1, NPT4
血中の尿酸値が高い状態を高尿酸血症といい、痛風の原因の一つとしても知られております。尿酸は図‐13に示すように、食事中のプリンと、体内での代謝により産生されるプリンからの分解過程でできる物質です。図の中にも描かれておりますが、ヒトは尿酸を分解する酵素のウリカーゼ(uricase)の欠損動物なので、ヒトでのプリン代謝の最終産物は尿酸となります。他の多くの動物種ではアラントインが最終代謝産物です。

痛風をはじめ、血管硬化や腎機能低下などの病態の発症と高尿酸との関連は周知の事実です。反面、尿酸は活性酸素などのフリーラジカルの消去作用を有しております。このため尿酸には、フリーラジカルによる中枢神経疾患やがんの発症を予防する、生体の正常機能の保護という有益な作用もあります。

尿酸のヒト体内のプールは約1.2グラムで、毎日0.7グラムが産生されて0.7グラムが排泄されますので、常時同じ1.2グラムが体内に存在しております。このバランスは、腸管と腎からの排泄によって調節を受けております。上の説明のように、血中の尿酸は高くても、又低くても生体にとっては好ましくない訳です。

図‐13 ヒトでのプリン体代謝の模式図

図‐13に示しましたように、尿酸の体外への排出経路としては腎から尿への排泄量が主要な部分を占めますので、腎での尿酸の動きが重要になります。
腎を構成するネフロンと呼ばれる機能最小ユニットの模式図と尿酸の腎内動態を図‐14に示しました。
古くから4コンポーネントモデルと言われ、
1.糸球体ろ過
2.近位尿細管での再吸収
3.近位尿細管での分泌
4.分泌後の再吸収
の4要素から成り立っております。

図‐14 腎を構成する機能最小ユニットのネフロンと尿酸の四要素輸送モデル

図‐15は近位尿細管細胞での尿酸の輸送を模式的に示しております。原尿中からの尿酸の取り込みは、当社関係者らにより単離されたURAT1(文献: URAT1)で細胞内に入り、血管側膜のURATv1(別名GLUT9、文献:URATv1)で血中に移行します。他方血中から尿への尿酸の分泌は、尿細管細胞の血管側膜から尿細管細胞内への移入はOAT1やOAT3により、尿への分泌はNPT4(文献: NPT4)で尿細管腔内に輸送されます。以上の再吸収と分泌は同じ細胞で行われるとは限らず、尿流に沿った別々の細胞で営まれていると想定されます。(文献:Review of Urate)

図‐15 尿細管細胞を介した尿酸の再吸収と分泌の模式図

ページTOP

2.高尿酸血症治療薬
血中の尿酸値が高くなる病態(高尿酸血症)が低い病態よりも圧倒的に多く、その原因は
① 肝での尿酸産生酵素(xanthine oxidase)の機能亢進
② 腎から尿中への排泄遅延
の2つが考えられます。
実際の患者数は、後者②が原因のタイプが前者①より多いのが現状です。
従って②のタイプの治療薬としてはURAT1の阻害薬が最適であると考えられます。現存する尿酸排泄促進薬には肝障害などの副作用が懸念され、新薬の開発が望まれております。

3.新規尿酸排泄促進薬(JPH367)
JPH367は当社が合成したURAT1を阻害する新規低分子物質で、尿酸排泄促進薬としての薬効において、現在非臨床試験を実施中です。

ページTOP